「自作の小屋で暮らそう・Bライフの愉しみ」高村友也

田舎暮らし
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以前から、セルフビルドの家で暮らしたいという希望があり、この手の本はわりとチェックしていましたが、本書は10年近く読めずにいました。

今回、楽天ブックスで購入し、読んでみました。

Bライフとは

タイトルの「自作の小屋で暮らそう」というのは、無条件に魅力的です。

では、副題にもなっている「Bライフ」というのはどういう意味なのでしょう。

筆者は、語感で付けたが、一番しっくりくるのは「ベーシックのB」。つまり「必要最低限の生活」だという。

必要最低限の生活

筆者にとっての、必要最低限の生活とは、どういったものでしょう。

  • 田舎に安い土地を買って、小屋を立てて住む
  • 自作ソーラー発電でノートパソコン稼動
  • 沢でくんだ水を使い、排水は蒸発させたり畑に撒いたり
  • 移動手段はスーパーカブ
  • たまにアルバイトし、なるべくお金を使わない
  • 時間のゆとりのある生活

基本的に筆者はモノ作りに熱意はなく、農業も建築も大まかで簡潔です。そこも、一般的な「田舎暮らし」と違うところです。

生活費2万円

筆者の生活に毎月かかるお金は2万円。その内訳は?

  • 食費10,000円
  • ガソリン、カセットガス、灯油で2,200円
  • 電気、上下水道0円
  • 携帯電話1,000円〜
  • インターネット5,000円
  • 銭湯4.5回1,000円
  • 雑費1,000円
  • 年金0円(全額免除)
  • 所得税、市民税0円
  • 固定資産税0円(免税点以下)
  • 健康保険1,500円(7割免除)

2万円で足りさせるというのは、徹底してますね。

特徴的なのは、30%が通信費だということです。決して世捨て人にはならないということですね。

制度や法とのスタンス

私が違和感を感じるのは、年金が全額免除になりながら、半額納付したものとして支給されることを、計算に入れていることです。これに対する批判を予想し筆者は悪びれずに答えます。「すみません、お世話になります」

筆者は、税金、健康保険、年金、建築基準法、農地法などを、すべて考慮に入れています。

それを乗り越えるのではなく、「いなす」という立ち位置です。

そして、月2万の生活で将来の不安もないことを、数字を使って説明しています。

これは、今までの仙人的田舎暮らしとは、少し違うようです。

少し意地の悪い見方をすれば、筆者が東京大学を卒業していて、人気ブロガーであることも、心のゆとりにつながっているのかもしれません。

まとめ

前記したように、違和感を感じるところは所々ありましたが、未知の田舎暮らしだったので、興味深く読めました。

さすがに批判されそうな点には、前もって反論を用意してあります。後半部はその反論が中心になっています。

Bライフをしない人がいるおかげで「日本が」保たれていて、みんながBライフをしてしまったら国が滅びてしまうのではないかという、外部の敵の存在を念頭に置いた上での問いである。

すくなくとも私はこんな心配はしません。人は多様であり、労働に忙殺されず、時間が自由になるといわれても、Bライフを選ぶ人はそれほどいないでしょう。

平和ボケと言われるかもしれないが、国力とか、GDPとか、軍事力とか、そんなもので本当の意味で国を滅ぼしたり滅ぼされたりするほど愚かな時代とは思えない。

おそらく、その時代の住民が「愚かな時代」とは思っていない時代にも、悲劇は起こっているのでしょう。やはり、良い意味で「平和ボケ」なんでしょうね。ボケられるほどに、平和なのですね。個ではなく、家族という単位で考えると、少し違った見方もあるのかもしれません。

お金をかけないシンプルな田舎暮らしは、とても興味のあるところです。

しかし、私としては家や食料など、なんでも「作る」ことに面白みを感じての、田舎暮らし願望でしたので、かなりベクトルは違うようです。

もちろん、いろいろな「Bライフ」があって当然だし、それが楽しいのだと思います。

「Bライフ」の参考書としてはたよりないですが、とっかかりとしてはよい本だと思います。

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